スパダリ医師の甘々な溺愛事情 〜新妻は蜜月に溶かされる〜
 スプリングがぎしりと音を立て、室内には荒い呼吸が響く。
 長かったキスを終え、啓一郎さんは私の身体に手を伸ばした。

 私の着ていたルームウェアを上下とも脱がせ、自身も上を脱ぐ。
 キスによって少し汗ばんだ地肌が空気に晒され、少しヒヤリとした。
 下着姿を見られて恥ずかしく思った私は手で隠すよう胸元へと移動させるが、啓一郎さんによって両手を頭の上に固定されて剥き出しとなる。

「は、恥ずかしいです……あんまり見ないでっ」

「可愛いから見せて欲しいんだ。愛してるから紗雪の隅々までみたいから、許して?」

 愛してると囁かれて頬にさっと朱が走ったのを自分で自覚し、ぎゅっと目を瞑る。

 啓一郎さんが見たいというのならば全て見せてあげたい。
けれどやはり恥ずかしすぎる。

 両極端な気持ちにどうしていいか分からない私を置いて、啓一郎さんは唇を首元に寄せた。
 
「んっ!」

 柔らかな唇がびりりと肌に刺激を落とす。
 啓一郎さんは首から胸元、腹、おへそ、太もも、ふくらはぎ、足首、足の甲、そしてつま先まで多くの場所に口づけをした。
 場所が変わるたびに刺激で身体が震える。ぐずぐずと全身が溶けてしまいそうだった。

 呼吸を荒げる私とは裏腹に、啓一郎さんは情欲の宿った視線を向けるだけで息一つ乱していなかった。

 全ての場所へのキスを終えた啓一郎さんは私の胸へと手を伸ばす。
 そしてやわやわと形を変えるようにして揉みしだいた。

「んんっ!……あっああぁっ!」

「紗雪のここは柔らかいね。本当にかわいいよ」

 初めての刺激に悶える私の背に手を回し、ホックを外すとハラリとそれが落ちた。

「ここもすごく綺麗だ」

 そう言って私の敏感な箇所を弄くり回し、終わった時には息絶え絶えだった。
 抗えない刺激に反射的に涙がぽろりと溢れる。
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