この先もずっと、キミの隣で。
「うん。見てれば分かるよ。まあ、それを分かってた上で告白した俺も悪い。ごめんね」

先輩は困ったように笑った後、私に言った。


「やっぱり俺は、柳瀬くんの代わりにはなれないね。二人の関係が羨ましいよ」


「……久野先輩」

「やっと自分の気持ちに気づけたんでしょ?だったら、あとは伝えるだけじゃん。ほらー」

そう言って先輩は私の背中を優しく押した。


「柳瀬くんのところに行ってきな。彼、待ってるんじゃない?」

そう言って優しい笑顔で送り出してくれた。



「久野先輩……」

私は涙をぐっとこらえて先輩に頭を下げた。 

それからすぐに柳瀬の家に走ってインターフォンを押した。

出てくるのが待ちきれなくて、何度も何度も押してしまった。
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