この先もずっと、キミの隣で。
「柳瀬ってなんでもできるんだね」

「お前と違って器用だからな」

「仕方ないじゃん。器用になんてこなせないよ」

柳瀬みたいになんでも器用にこなせたら、どんなに生きやすいだろうとよく思う。

失敗ばかりで自分が嫌になるぐらいだ。


「そんなんじゃ、王子に好きになってもらえねぇんじゃねぇの?」

絆創膏のゴミを捨てた柳瀬が隣に腰掛けた。


「もっと女子力上げろよな」

「あんなやつやめとけとか朝言ったくせに、なにそれ」

素直にありがとうも言えない自分に嫌気がさした。
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