この先もずっと、キミの隣で。
「あっそうだ。麦ちゃん、八月一日空いてる?」

先にモンブランを食べ終えた先輩が聞いてきた。


「一日ですか?ちょっと待ってください」

フォークをお皿に立てかけ、バッグから急いでスケジュール帳を取り出して予定を確認する。


「はい。空いてます」

「じゃあその日、空けておいて」

「何かあるんですか?」

私はスケジュール帳をバッグに戻しながら聞いた。


「花火大会。麦ちゃんと一緒に行きたいなって」

「えっ、花火大会ですか?」

「嫌、だったかな?」

先輩が心配そうな表情をしたので慌てて手を振る。

「そんな。嫌だなんてとんでもないです。嬉しすぎて」

久野先輩と花火大会。こんな夢みたいなことが現実になるなんて。
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