この先もずっと、キミの隣で。
「久野先輩。私、夏はあんまり好きじゃないけど……」

「ん?」

先輩と目が合うと恥ずかしくてとっさにそらしてしまう。


「……今こうやって先輩が隣にいてくれるから、今年の夏はとっても楽しみなんです」

「麦ちゃん……」

気づいた時には左腕を引かれて、先輩の方に引き寄せられていた。


「えっ……、先輩?」

私を抱きしめる力が強くなった。


「あんまり可愛いこと、言うな。離したくなくなるだろ」

先輩の身体、暑い……

こんな強引な先輩、初めてだ。だけど、嫌じゃない。
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