この先もずっと、キミの隣で。
抱きしめていた腕の力が徐々に弱くなって、先輩は私を離してくれた。

重なり合う視線が恥ずかしかった。


今度は先に先輩が目を逸らして、

「ごめん。あまりにも可愛かったから、我慢できなかった」

照れた表情でそう言った。


「じゃあ、テスト勉強頑張ってね。分からないところがあったらいつでも連絡していいから」

先輩はそう言って足早に帰ってしまった。


先輩と別れた後も抱きしめられた感覚がずっと残っていて、その日は一晩中、幸せな気持ちに包まれていた。

明日から、四日間の期末テストが始まろうとしている。
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