この先もずっと、キミの隣で。
期末テスト一日目が終了した帰り道。私はいつも通り柳瀬の隣を歩いていた。

「お前、頭大丈夫か?」

「なにが?」

「お前の家、通り越したぞ」

「そんなの分かってるよ。そこまでアホじゃないですー」

そう。私は自分の家を通り越して、柳瀬の家に向かっている。


「じゃあ早く来た道戻れ」

「今日は柳瀬ん家に行くの」

「はぁ?」

「だって分かんないとこあるんだもん」

柳瀬は深くため息をついた。

時間がなくて先輩に教えてもえなかった範囲を柳瀬に教えてもらおうと思って。


柳瀬の部屋になんとか入れてもらい教科書を開いた。
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