いらない物語(続・最初のものがたり)
11
この数ヶ月のモヤモヤとドロドロと。
昨日から今日までのどん底絶望感と。
でも今は全て、
バカみたいだったな、って思える。
これ、必要?
この話、何?
って思える。
ただのバカップルのイチャつき。
ごめんね、付き合わせて。
でも、いいじゃん。
どこのカップルもそんなもんでしょ。
もっと、やるからね!
「勇磨、あの、ごめんね。
これからは勇磨の事、
勝手に決めつけない。
なんでも聞くし言うね。
勇磨が嫌な事はしないし、厚着もする。
勇磨に嫌われたと思って、すごく怖かった。
本当に怖かったんだ。
だから、嫌われたくないから、
これからは、もっと大人になる。
お嬢様風にもなれるように頑張るか、ら」
また話の途中でキスされた。
右手で左の頬を寄せて、
私の肩に覆いかぶさるようにキスした。
「だから、学習しろって。
俺は、お嬢様風なんて求めてないの。
ついでに清楚だっけ?
大人の人だっけ?
そんなのもいらないの。
厚着もいいや。
着膨れして、
ダルマみたいになってるもんな、
俺も反省した。
ナナを俺の好きなように、
変えたい訳じゃない。」
ダルマって!
「何枚着てんだよ、全く。
まぁ、俺のせいだな。悪かった。
違うんだ、露出の多い服は嫌だけど、
俺を気にしてダルマになるのは、
もっと嫌なんだ。
例えば、俺が清楚な子が好き、
派手なのが好き、
明るい子、大人しい子って、なって。
それをナナが気にしてくれるのは嬉しい。
でも、寄せてきたら嫌っていうか。
ツライ。
だって俺はさ、
そのままのナナが好きだから。
ナナだって、
俺がツバサに寄せたら嫌だろ」
引いた!
もう、なんて事言うんだ!
そんなの、いい訳ないじゃん!
好みや理想に合わせて、
好きになる訳じゃない。
そんなパズルみたいな恋はできない。
むしろ、苦手で嫌いだった。
でも、理想からは程遠い、
正反対の勇磨が、いい。
私は勇磨が、好きなんだもん。
「だろ、だから、そのままでいいよ。
また俺を狙う女に、
色々と言われてもブレんなよ。
ファンクラブを1人で蹴散らす、
強いナナちゃんの弱点、
見つけちゃったな。
俺の為、とか言われるとグラつくんだな。
これからも色んな女達が、
刺客として来るだろうけど、
負けんなよ」
刺客って。
でも、来るな、続々と。
だけどさぁ、自分で言う?
全く中2病を患ったモテ男って!
「勇磨、知ってたんだね、
私が先生に言われた事。
勇磨の夢を黙って応援してさ。
見守ってあげられる大人の女子を、
目指したはずだったんだけどなぁ」
ぎゅっと、
苦しいくらい力を入れて抱きしめられた。
「大人、ねぇ?」
あきれたような声で言う。
「でもさ、ナナが言ったんだよ。
先生の事、大切にしろって。
先生の技術と人脈は、
俺の為になるからってさ。
邪険に扱うなって、言ったの、
忘れた?」
それはそうなんだけど。
だって、勇磨の夢の為だから。
私のやきもちなんかで、
邪魔したくなかったし。
「まぁ、いいけどね。
ナナが俺の為に、
我慢してくれてるの知ってたから。
俺も黙ってた。
葛藤してんのも分かってたから、
早く爆発して、
俺のとこに来ないかなぁって
待ってたんだけど。」
また、切ない表情で私を見た。
「俺の為を思うなら、絶対に離れるな」
うん、離れない。
はぁ、バカだな、私。
本当、学習しないな。
だけど、今回のことで、
私、1つは学習した。
勇磨に、
勝手に想像して、私の為って、
私から離れていくのは、
嫌って言ったのに、
自分が同じ事をした。
嫉妬でドロドロで、
でも知られたくなくて
隠して拗らせた。
どうしていいか分からなくなって、
勝手に自分から離れようとした。
全部、勇磨に話したら解決したのに。
1人で悩んでも仕方ない。
いい方向になんていく訳ない。
今なら分かるのに。
これからは、ちゃんと話そう。
想像して決めつけない。
私と勇磨は別の人間だ。
それは忘れちゃいけない。
1つ学習した!
「またツバサ?
お前、いい加減にしないと、
このまま帰さないぞ」
バカ、違うって。
「学習したの、1つ。」
小馬鹿にしたように笑う勇磨。
「なんだよ、言ってみろ」
ふんっ。えらそうに。
「勇磨と私は別の人間」
途端に大爆笑する勇磨!
「ふーん。それ、学習したのか!
エライぞ!」
なんだよ、それ。
もうっ言わない!
「ごめん、ごめん。笑える。」
涙を拭うほど笑われる事?
「いや、ごめん。そうだよね。
俺達は別の人間だ。
その通りだよ。学習したな。」
頭を撫でられる。
何?
もうっ。
そういうとこ、分かんないんですけど!
「別の人間だからだろ」
あーこれ。
しばらく、
このネタとワードでからかわれるヤツだ。
「もう、嫌い」
「俺は好き。別の人間だから」
「もう離して」
「やだ、別の人間だから」
「帰る」
「まだ帰さない、別の人間だから」
「もうやだ!」
「嫌じゃない、別の人間だから」
もうっ、本当に、ムカツク!
あ、そうだ。
「バカ」
「バカじゃない、別の人間だから」
「もう、やだ」
「だから、嫌じゃない、別の人間だから」
「好き、離れたくない」
「好きじゃな・・」
そこで切って私にキスをする。
「残念、引っ掛かんないよ、そんなの」
勇磨の目をまっすぐに見た。
瞳にお互いが映るのが見えるくらい、
まっすぐに見た。
「俺も好き、離さない。
別の人間だから。
俺の意思。お前がどう思おうが、
俺はナナが好き、離さない」
ああ、そういうことか。
そうだよ、別の人間だ。
いい事、学習したな、ほんと。
「クリスマス前に仲直りして良かったな。
まぁ仲直りとは違うか。
ナナが勝手に暴走したから。」
暴走って、でも、
すみません。
「クリスマス、うちに来いよ。
親がうるさいんだよ、
ナナに会わせろって。
ミアンとリノも彼氏、
連れて来るからさ、ナナも来いよ。」
え。
工藤ファミリー勢揃い?
ご両親に会うって、大丈夫か、私?
ヤバっ
緊張してきた!
絶対、美男美女だ!
というか、
あの姉妹の彼達もイケメンのはず。
と、なると、私だけ、
顔面偏差値、庶民じゃん!
「何、緊張してんの?
気に入られるかしらって?
確かになぁ、キレたりすんなよ。」
そう言って笑う。
キレるか、バカ!
「うそうそ、大丈夫。
ナナはうちの家族の中では、
俺を堕とした勇者だから。
いいから、来て。」
そんな顔で言われたら、
行かない理由なんて、ない。
それに勇磨の部屋も見てみたい。
「お前、大胆だな。
クリスマスの日に家族みんないるのに、
俺の部屋で過ごしたいの?
それこそ、エロい目で俺を見てんな」
違っ。
バカっ。
そういう意味じゃ!
もう、怒った!
「行くよ、クリスマス!
エロい目で勇磨の部屋だって見るから。
悪い?」
まだニヤつく勇磨。
もー受けて立つ!
「おお、いい度胸だ、さすが別の人間!」
もう、それはいいってば!
でも、楽しみだ、何が起こるか分からない。
別の人間だから。
だから、勇磨の想定外の事もできる。
勇磨の頬を両手で押さえて、
私からキスをした。
驚いて私を見て
「参った」
ひと言。
でも、次の瞬間には
「なんちゃって」
逆に両手をホールドされキス返しを受けた。
あぁーあ。
参ったのは私だ。
完全に白旗だ。
くっそ!
次こそは私が勝つ!
ーおしまいー
昨日から今日までのどん底絶望感と。
でも今は全て、
バカみたいだったな、って思える。
これ、必要?
この話、何?
って思える。
ただのバカップルのイチャつき。
ごめんね、付き合わせて。
でも、いいじゃん。
どこのカップルもそんなもんでしょ。
もっと、やるからね!
「勇磨、あの、ごめんね。
これからは勇磨の事、
勝手に決めつけない。
なんでも聞くし言うね。
勇磨が嫌な事はしないし、厚着もする。
勇磨に嫌われたと思って、すごく怖かった。
本当に怖かったんだ。
だから、嫌われたくないから、
これからは、もっと大人になる。
お嬢様風にもなれるように頑張るか、ら」
また話の途中でキスされた。
右手で左の頬を寄せて、
私の肩に覆いかぶさるようにキスした。
「だから、学習しろって。
俺は、お嬢様風なんて求めてないの。
ついでに清楚だっけ?
大人の人だっけ?
そんなのもいらないの。
厚着もいいや。
着膨れして、
ダルマみたいになってるもんな、
俺も反省した。
ナナを俺の好きなように、
変えたい訳じゃない。」
ダルマって!
「何枚着てんだよ、全く。
まぁ、俺のせいだな。悪かった。
違うんだ、露出の多い服は嫌だけど、
俺を気にしてダルマになるのは、
もっと嫌なんだ。
例えば、俺が清楚な子が好き、
派手なのが好き、
明るい子、大人しい子って、なって。
それをナナが気にしてくれるのは嬉しい。
でも、寄せてきたら嫌っていうか。
ツライ。
だって俺はさ、
そのままのナナが好きだから。
ナナだって、
俺がツバサに寄せたら嫌だろ」
引いた!
もう、なんて事言うんだ!
そんなの、いい訳ないじゃん!
好みや理想に合わせて、
好きになる訳じゃない。
そんなパズルみたいな恋はできない。
むしろ、苦手で嫌いだった。
でも、理想からは程遠い、
正反対の勇磨が、いい。
私は勇磨が、好きなんだもん。
「だろ、だから、そのままでいいよ。
また俺を狙う女に、
色々と言われてもブレんなよ。
ファンクラブを1人で蹴散らす、
強いナナちゃんの弱点、
見つけちゃったな。
俺の為、とか言われるとグラつくんだな。
これからも色んな女達が、
刺客として来るだろうけど、
負けんなよ」
刺客って。
でも、来るな、続々と。
だけどさぁ、自分で言う?
全く中2病を患ったモテ男って!
「勇磨、知ってたんだね、
私が先生に言われた事。
勇磨の夢を黙って応援してさ。
見守ってあげられる大人の女子を、
目指したはずだったんだけどなぁ」
ぎゅっと、
苦しいくらい力を入れて抱きしめられた。
「大人、ねぇ?」
あきれたような声で言う。
「でもさ、ナナが言ったんだよ。
先生の事、大切にしろって。
先生の技術と人脈は、
俺の為になるからってさ。
邪険に扱うなって、言ったの、
忘れた?」
それはそうなんだけど。
だって、勇磨の夢の為だから。
私のやきもちなんかで、
邪魔したくなかったし。
「まぁ、いいけどね。
ナナが俺の為に、
我慢してくれてるの知ってたから。
俺も黙ってた。
葛藤してんのも分かってたから、
早く爆発して、
俺のとこに来ないかなぁって
待ってたんだけど。」
また、切ない表情で私を見た。
「俺の為を思うなら、絶対に離れるな」
うん、離れない。
はぁ、バカだな、私。
本当、学習しないな。
だけど、今回のことで、
私、1つは学習した。
勇磨に、
勝手に想像して、私の為って、
私から離れていくのは、
嫌って言ったのに、
自分が同じ事をした。
嫉妬でドロドロで、
でも知られたくなくて
隠して拗らせた。
どうしていいか分からなくなって、
勝手に自分から離れようとした。
全部、勇磨に話したら解決したのに。
1人で悩んでも仕方ない。
いい方向になんていく訳ない。
今なら分かるのに。
これからは、ちゃんと話そう。
想像して決めつけない。
私と勇磨は別の人間だ。
それは忘れちゃいけない。
1つ学習した!
「またツバサ?
お前、いい加減にしないと、
このまま帰さないぞ」
バカ、違うって。
「学習したの、1つ。」
小馬鹿にしたように笑う勇磨。
「なんだよ、言ってみろ」
ふんっ。えらそうに。
「勇磨と私は別の人間」
途端に大爆笑する勇磨!
「ふーん。それ、学習したのか!
エライぞ!」
なんだよ、それ。
もうっ言わない!
「ごめん、ごめん。笑える。」
涙を拭うほど笑われる事?
「いや、ごめん。そうだよね。
俺達は別の人間だ。
その通りだよ。学習したな。」
頭を撫でられる。
何?
もうっ。
そういうとこ、分かんないんですけど!
「別の人間だからだろ」
あーこれ。
しばらく、
このネタとワードでからかわれるヤツだ。
「もう、嫌い」
「俺は好き。別の人間だから」
「もう離して」
「やだ、別の人間だから」
「帰る」
「まだ帰さない、別の人間だから」
「もうやだ!」
「嫌じゃない、別の人間だから」
もうっ、本当に、ムカツク!
あ、そうだ。
「バカ」
「バカじゃない、別の人間だから」
「もう、やだ」
「だから、嫌じゃない、別の人間だから」
「好き、離れたくない」
「好きじゃな・・」
そこで切って私にキスをする。
「残念、引っ掛かんないよ、そんなの」
勇磨の目をまっすぐに見た。
瞳にお互いが映るのが見えるくらい、
まっすぐに見た。
「俺も好き、離さない。
別の人間だから。
俺の意思。お前がどう思おうが、
俺はナナが好き、離さない」
ああ、そういうことか。
そうだよ、別の人間だ。
いい事、学習したな、ほんと。
「クリスマス前に仲直りして良かったな。
まぁ仲直りとは違うか。
ナナが勝手に暴走したから。」
暴走って、でも、
すみません。
「クリスマス、うちに来いよ。
親がうるさいんだよ、
ナナに会わせろって。
ミアンとリノも彼氏、
連れて来るからさ、ナナも来いよ。」
え。
工藤ファミリー勢揃い?
ご両親に会うって、大丈夫か、私?
ヤバっ
緊張してきた!
絶対、美男美女だ!
というか、
あの姉妹の彼達もイケメンのはず。
と、なると、私だけ、
顔面偏差値、庶民じゃん!
「何、緊張してんの?
気に入られるかしらって?
確かになぁ、キレたりすんなよ。」
そう言って笑う。
キレるか、バカ!
「うそうそ、大丈夫。
ナナはうちの家族の中では、
俺を堕とした勇者だから。
いいから、来て。」
そんな顔で言われたら、
行かない理由なんて、ない。
それに勇磨の部屋も見てみたい。
「お前、大胆だな。
クリスマスの日に家族みんないるのに、
俺の部屋で過ごしたいの?
それこそ、エロい目で俺を見てんな」
違っ。
バカっ。
そういう意味じゃ!
もう、怒った!
「行くよ、クリスマス!
エロい目で勇磨の部屋だって見るから。
悪い?」
まだニヤつく勇磨。
もー受けて立つ!
「おお、いい度胸だ、さすが別の人間!」
もう、それはいいってば!
でも、楽しみだ、何が起こるか分からない。
別の人間だから。
だから、勇磨の想定外の事もできる。
勇磨の頬を両手で押さえて、
私からキスをした。
驚いて私を見て
「参った」
ひと言。
でも、次の瞬間には
「なんちゃって」
逆に両手をホールドされキス返しを受けた。
あぁーあ。
参ったのは私だ。
完全に白旗だ。
くっそ!
次こそは私が勝つ!
ーおしまいー