こんなにも愛しているのに〜私はましろ
「陸、、、結婚式は挙げられない。
私の気持ちがついていけない。

お互いの両親には私からそれぞれ断りを言うから。」

「ましろ、、、お願いだ、別れるなんて言わないでくれ。
ましろより大事な人なんて、この世にいない、、、ましろ」

陸が真っ青になっていた。

「もう休む、、、本当に疲れたの。入って来ないでね。」

私は疲れ切った身体をよろりと立ち上がらせて、書斎に向かった。
二人の寝室を使う気にもなれず、書斎の簡易ベッドで眠るつもりだった。

「ましろ、、、もっと話し合おう。。。お願いだ。
起きたら、話そう。」

「陸、、、、」

「。。。。。」

「父がホテル前で若い女性と立っていた時、私は父とその人を罵った。

それから、母と父が別れる別れないの話になったの。

私は、父がシンガポールから帰るまで顔もあわさず、口も聞かなかった。

父は、、、あの人と身体の関係はなかったらしい、、、そういう関係では
なかったって。。。でも、あの人と食事に行ったり、話をしたり、
彼女といることで心が癒されていたと、母には正直に言ったらしい、、、

それは、母や私にとって裏切り行為で、不倫だと言ってもいい。
そのことで私と母がどんなに傷ついたか、、、

身体の関係だけが、裏切りじゃないんだよ。。。」

私は初めてあの時の父のことを陸に話した。
顔も見ずに。

陸がしてきたことは、私を裏切ったこと。
陸だけを愛している私を裏切ったこと。

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