こんなにも愛しているのに〜私はましろ
母は、私が好きなお惣菜をいろいろと作ってきてくれた。
父もそうだが、母も相変わらず若々しく、手がかかる双子もいるのに
どうしたらそうなれるのか不思議だ。
「わかっていたことだけど、この年齢の子育ては体力的に大変なのね。
でも大変大変って思っていたら、心まで大変になりそうでしょ。
なので、気合を入れているのよ。私もお父さんも。」
母は冗談のようにそう言って、笑った。
笑う母の笑顔を見たのは、いつぶりだろうか。
なんだか
私ひとり取り残されているような気がする。
「で、ましろはどうしたの?」
母を呼ぶということ自体が、とても珍しいことなので、私に何かがあった、と
母はすぐに察することができたらしい。
「陸のことがよくわからなくて、、、
このまま結婚生活を続けていけるのか、どうか、自信がなくなって
しまったの。」
「ちゃんと、話し合っている?
きっと二人とも忙しいから、相手を思いやりすぎて、会話が少ないのじゃない?」
「。。。。。」
「ましろもよく知っての通り、お母さん達は学生時代から付き合って
相手のことをよく知っていると思っていたけど、圧倒的に夫婦としての
会話が少なかったのよ。
お母さんは、お父さんが忙しくって、こんなことで煩わせてはダメとか
お父さんはお母さんは黙っていてもわかってくれているとか、、、
ちょっとした気持ちのずれが、相手のことを思って良かれとして
していたことが、結局、深い溝を作ることになってしまって、、、」
「お母さん。。。」
私は母に、陸と自分の身の上に起こったことを話した。
「まぁ、、、
ましろの気持ちはわかった。。。嫉妬はするわね。でも、その嫉妬を陸都くんに話していた?」
「。。。。。」
「こんなことを言ったら、陸都くんから煩がられないかなとか、
こんな醜い姿を見せたくないとか、、、いろいろと考えちゃうものね。
でも
ましろがまだ、陸都くんと一緒にいたいのなら、そこのところも
ちゃんと話し合いなさい。
陸都くんは、きっと今頃生きた心地もしてないはずでしょう?
ましろが本当にいいやと、思ったら、陸都くんとお別れしなさい。」
「お母さんは、自分の時もそんなふうに割り切って考えられた?」
私が聞きたかったのはこれだった。
お父さんとお母さんの時はどうだったの?
「ぐずぐずしていたわね。
お父さんを信じているけど、それでも信じきっていない。。。
ドロドロとした気持ちを抱えていたわ。
それもこれも、私たちは圧倒的に会話が少なかったから。
お互いにお互いの負の感情ばかりに、気がいってしまって、
怖がっていたのよ。話すことを、、、」
母は、当時のことを思い出したのか、顔を伏せながら
ポツポツと話だした。
「もうやっぱりダメ、、、と思ったのは、ましろを巻き込んじゃったこと。
でもね、お父さんがシンガポールに赴任をして、ちょっと考える時間が
できた時に、やっぱり、いつも何処かでお父さんのことを心配している自分が
いて、、、
ましろには申し訳なかったけど、お父さんと一緒にいたいって。」
「夫婦ってわかんないなぁって、思っていたけど、、、
自分がその立場になったら、混乱しちゃって。。。
お父さんも陸もどうして、私たち妻が何があっても、大丈夫って思えるのかしら。
自分が反対の立場だったら、絶対に穏やかな気持ちになれるはずもないのに。」
「そうねぇ、、、お父さんはやっと努力しないと、夫婦は夫婦でいられないって
気づいたみたいよ。
双子を育てていて、。何があってもこの人は子供を愛することを止めないん
だろうなぁって、思ったって。
そこに、ましろのこともそうだけど、親子の繋がりを感じるって。
だけど、茉里からしたら自分は他人だ、、、うかうかしていると一番先に
切られてしまう。」
「だから、お母さんを大事にしよう。お母さんを一番に考えよう。
って、心を入れ替えた。。。?」
「お父さん曰く、それを相手にちゃんと理解してもらえるように努力をしようって。」
「はぁ、、、改めて思わなくても、陸のご両親みたいに、お義父様が
大きな心でお義母様を、包んでいる方もあるのにね。。。」
「確かに、羨ましくなるほど、お手本にしたいご夫婦ね。
でも、きっとお二人にしかわからない、何かもあると思うのよ。」
「。。。。。。」
「相談にも何にもなっていないと、思うかもしれないけど、
ゆっくりじっくりと考えて、落ち着いたら、陸都くんとまた話しなさい。
同じ職場で、いやでも顔は合わせるでしょうけど。」
「そうね。。。」
母は、私がいいと言うのに、部屋の掃除や洗濯、私の身の回りのことを
こういう時はやらせてと、笑いながら言って、お世話をしてくれた。
二人でゆっくりと夕飯をとり
’あの子たちが一緒じゃないと寂しいけど、本当にご飯を食べているって、思える幸せもあるわね。’
と笑っていた。
帰り際
理恵おばさんがここのところ、ましろが遊びに来てくれないって、
寂しがっていたから、時間を作って、顔を見せに行ってあげなさい、と
言って、帰って行った。
父もそうだが、母も相変わらず若々しく、手がかかる双子もいるのに
どうしたらそうなれるのか不思議だ。
「わかっていたことだけど、この年齢の子育ては体力的に大変なのね。
でも大変大変って思っていたら、心まで大変になりそうでしょ。
なので、気合を入れているのよ。私もお父さんも。」
母は冗談のようにそう言って、笑った。
笑う母の笑顔を見たのは、いつぶりだろうか。
なんだか
私ひとり取り残されているような気がする。
「で、ましろはどうしたの?」
母を呼ぶということ自体が、とても珍しいことなので、私に何かがあった、と
母はすぐに察することができたらしい。
「陸のことがよくわからなくて、、、
このまま結婚生活を続けていけるのか、どうか、自信がなくなって
しまったの。」
「ちゃんと、話し合っている?
きっと二人とも忙しいから、相手を思いやりすぎて、会話が少ないのじゃない?」
「。。。。。」
「ましろもよく知っての通り、お母さん達は学生時代から付き合って
相手のことをよく知っていると思っていたけど、圧倒的に夫婦としての
会話が少なかったのよ。
お母さんは、お父さんが忙しくって、こんなことで煩わせてはダメとか
お父さんはお母さんは黙っていてもわかってくれているとか、、、
ちょっとした気持ちのずれが、相手のことを思って良かれとして
していたことが、結局、深い溝を作ることになってしまって、、、」
「お母さん。。。」
私は母に、陸と自分の身の上に起こったことを話した。
「まぁ、、、
ましろの気持ちはわかった。。。嫉妬はするわね。でも、その嫉妬を陸都くんに話していた?」
「。。。。。」
「こんなことを言ったら、陸都くんから煩がられないかなとか、
こんな醜い姿を見せたくないとか、、、いろいろと考えちゃうものね。
でも
ましろがまだ、陸都くんと一緒にいたいのなら、そこのところも
ちゃんと話し合いなさい。
陸都くんは、きっと今頃生きた心地もしてないはずでしょう?
ましろが本当にいいやと、思ったら、陸都くんとお別れしなさい。」
「お母さんは、自分の時もそんなふうに割り切って考えられた?」
私が聞きたかったのはこれだった。
お父さんとお母さんの時はどうだったの?
「ぐずぐずしていたわね。
お父さんを信じているけど、それでも信じきっていない。。。
ドロドロとした気持ちを抱えていたわ。
それもこれも、私たちは圧倒的に会話が少なかったから。
お互いにお互いの負の感情ばかりに、気がいってしまって、
怖がっていたのよ。話すことを、、、」
母は、当時のことを思い出したのか、顔を伏せながら
ポツポツと話だした。
「もうやっぱりダメ、、、と思ったのは、ましろを巻き込んじゃったこと。
でもね、お父さんがシンガポールに赴任をして、ちょっと考える時間が
できた時に、やっぱり、いつも何処かでお父さんのことを心配している自分が
いて、、、
ましろには申し訳なかったけど、お父さんと一緒にいたいって。」
「夫婦ってわかんないなぁって、思っていたけど、、、
自分がその立場になったら、混乱しちゃって。。。
お父さんも陸もどうして、私たち妻が何があっても、大丈夫って思えるのかしら。
自分が反対の立場だったら、絶対に穏やかな気持ちになれるはずもないのに。」
「そうねぇ、、、お父さんはやっと努力しないと、夫婦は夫婦でいられないって
気づいたみたいよ。
双子を育てていて、。何があってもこの人は子供を愛することを止めないん
だろうなぁって、思ったって。
そこに、ましろのこともそうだけど、親子の繋がりを感じるって。
だけど、茉里からしたら自分は他人だ、、、うかうかしていると一番先に
切られてしまう。」
「だから、お母さんを大事にしよう。お母さんを一番に考えよう。
って、心を入れ替えた。。。?」
「お父さん曰く、それを相手にちゃんと理解してもらえるように努力をしようって。」
「はぁ、、、改めて思わなくても、陸のご両親みたいに、お義父様が
大きな心でお義母様を、包んでいる方もあるのにね。。。」
「確かに、羨ましくなるほど、お手本にしたいご夫婦ね。
でも、きっとお二人にしかわからない、何かもあると思うのよ。」
「。。。。。。」
「相談にも何にもなっていないと、思うかもしれないけど、
ゆっくりじっくりと考えて、落ち着いたら、陸都くんとまた話しなさい。
同じ職場で、いやでも顔は合わせるでしょうけど。」
「そうね。。。」
母は、私がいいと言うのに、部屋の掃除や洗濯、私の身の回りのことを
こういう時はやらせてと、笑いながら言って、お世話をしてくれた。
二人でゆっくりと夕飯をとり
’あの子たちが一緒じゃないと寂しいけど、本当にご飯を食べているって、思える幸せもあるわね。’
と笑っていた。
帰り際
理恵おばさんがここのところ、ましろが遊びに来てくれないって、
寂しがっていたから、時間を作って、顔を見せに行ってあげなさい、と
言って、帰って行った。