こんなにも愛しているのに〜私はましろ
「自分で呼べばいいだろう。全然関係ない人を巻き込むなよ。」

「テッシーが逃げてばっかだからここまで来たんじゃない。テッシーを
呼んで!」

「手塚は帰ったよ。」

「嘘でしょ、、、、
テッシーが来ないんだったら、あんたがテッシーの代わりに
私たちと一緒に来なさいよ。」

「やだよ。
俺には関係ない。」

「関係ない?
テッシーから聞いているんでしょ。
その言葉は。
話が早いわ。」

「ともかく、彼女を放せ。関係のない子に絡んで
許されることじゃないだろ。」

西崎くんの顔がだんだんと怒りで、一層険しくなって行った。
私は、
始め、彼女たちの行動にただ驚いていただけだが、
西崎くんが言うように、とんだ言いがかりをつけられて、
理不尽なことをされ、
徐々に、自分の感情が冷たくなっていくのを感じていた。

「放してください。
手塚くんを呼んできますから。」

私が放った一言で、西崎君は少し自分を取り戻したようだし、
彼女たちも驚きながら、私から手を放した。

「私が手塚くんを連れて来るまで、西崎君を私の代わりに人質に
しておいてください。」

そう言うと、私は校舎へ走って戻った。
その日
手塚くんが試験が後1日あるのにも関わらず生徒会室で新作ゲームに
何人かで興じているのを知っていた。

彼らは
余裕といえば余裕だが
ちょっとした治外法権区域の生徒会室を使うなど
なかなかの知能犯ぶりを発揮していて
そういうところが私が彼を嫌いなところだ。

姑息。
< 28 / 117 >

この作品をシェア

pagetop