こんなにも愛しているのに〜私はましろ

理恵おばさん

私は理恵おばさんに今日の帰りに寄ることと
夕飯を作ろうか?
と提案するメールを昨夜中にしていた。

多分
これで私から何か話があると、理恵おばさんは気づいたはずだ。

母に直接言えないこと、聞けないことを理恵おばさんに私は
尋ねていた。
そこから
自分が答えられること、
母が答えるべきこと
理恵おばさんは篩にかけて、対応してくれる。

理恵おばさんの私生活は
パートナーの迅くんが家事も請け負っていたが
二人とも仕事で忙しくなると
家事にまで手が回らなくなるらしく
時々
迅くんからSOSがくる。

今日は
ちょっと暇らしいけど。

買い物をして
まず
理恵おばさんのオフィスに顔を出して、上の階の自宅の鍵をもらう。

おばさんは来客中らしく
迅くんが鍵をくれた。

「ましろちゃん今日はよろしくね。
僕は久しぶりに友達と飲み会だから、ましろちゃんごはんは明日
食べさせてもらうよ。
理恵さんも僕も楽しみ。」

理恵おばさんより一回り年下のワンコ系男子。
ワンコ系なんていうと、母から叱られるので内緒に思っていること
だけど、
とても優しくてその優しさが理恵おばさん相手になると
思いっきりという言葉がつくほど優しい。

このオフィスのパラリーガルで、理恵おばさんを好きになって
ねじ伏せて一緒になったと、お正月にお酒を飲み過ぎた上にそう
私に嬉しそうに言って、理恵おばさんから声も出ないくらいに
背中を叩かれていた。

「酔っ払いが、未成年を相手に喋り過ぎ!」

それでも
理恵おばさんのことを好きだということがダダ漏れな顔で
にやけていた。

一回り年下
司法試験に挑戦中
自分の親からは大反対。
理恵おばさんは結婚したいという迅くんに
司法試験に受かるまではと
結婚に待ったをかけている。

同棲しているくらいだから、いいのにと思うけど
おばさんなりのケジメなのだろう。

なかなか
ハードな二人だが
迅くんの一途な姿が、私には尊い。

大人の世界って、大変だな、とここでも思う。

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