こんなにも愛しているのに〜私はましろ
高校3年は
そのままクラスが持ち上がったので、顔ぶれは変わらなかった。
ただ
もう高校3年。大学受験を控え、みんなの緊張感は徐々に高まってきていた。
私は医学部志望。
西崎くんも、お家が大きな病院だ。従って、医学部志望だろう。
手塚くんは、調剤薬局を手広く展開する会社が実家と聞いたが、
本人は薬学志望なのか、医学部志望なのか、よくわからない。
それよりも私にとって、多分、他のみんなもそうだと思うのだが
何よりも衝撃的な出来事があった。
あの国松先生が
辞職された。
転勤ではなく辞職とのことだ。
高校2年の終業式の日に演壇上の、校長先生から知らされた。
演壇上に呼ばれた国松先生の顔には悲壮感もなく、何だか
すっきりとした明るい顔をされていた。
却って
視線の中にいた西崎くんや手塚くんの顔色の方が悪く、悲壮感さえ漂っていた。
生徒の中では一部、
西崎くんら二人が起こした事件で、先生が責任を取らされた
などと真実かどうかはわからないが、そういう噂が飛び交っていた。
先生ご自身は
辞職の理由は、自分の我儘ですが以前から自分のしたいことをするために
辞職することにしました。
と簡潔に述べられるだけだった。
私が出会った先生という名のつく人の中で、国松先生が一番人間らしく、
尊敬できる先生だった。
あの日
理恵おばさんのオフイスで出会ったことと、何か関係があるのだろうか。
きっと
おばさんに尋ねても答えてくれまいが、差支えなのない範囲では教えて
くれるかもしれない。
そんな衝撃的な出来事だったにも関わらず
時間が経つにつれて、みんなの中から国松先生という存在が、薄れていった。
私は、もっと先生と話したかった。
きっと
私のモヤモヤとした気持ちも、真摯に聞いてくださったに違いない。
私が全てを話せるかどうかだけなのだが。
周りを見渡しても
私が相談できるような人、私の悩みをただ聞いてくれるような人はいなかった。
母とは、あれ以来、何となく当たり障りのない話しかしない。
理恵おばさんは、忙しそうだし、迅くんの司法試験受験もあって
気軽にお邪魔できそうな雰囲気ではなかった。
母方の祖父母には、母が私たちの現状を詳しく言っているかどうかも
わからないので、迂闊なことを言って心配はさせたくなかった。
こんな出口が見えないような悩みを抱えていて
どこで自分を解放してあげればいいのか、、、
あの時と同じ、
受験に向けて余計なことを考えないようにするしかなかった。
西崎くんは、付き合う女子がいつも変わっていた。
雨の日などは、相合傘で仲良く下校するシーンなどもよく見られた。
彼もいろいろなことがあったが、吹っ切れたということだろうか。
人の心配をしている場合じゃないでしょ!
と
自分の思いにツッコミを入れながら、意識を彼から引き離す。
手塚くんが、西崎くんが私のことを好きだ、、、なんて余計なことを
いうから、私は自然と彼を意識しているのかもしれない。
今は
多分違うと思う。
あのような騒動を起こしたからと言って、眉を顰めるような様子はその女子たちにはなく、彼の横には、学年でも美人や可愛いと言われる女子が、月替わりのようにいる。
いつでも
どこでも
男女というのは、不思議なもの。
そのままクラスが持ち上がったので、顔ぶれは変わらなかった。
ただ
もう高校3年。大学受験を控え、みんなの緊張感は徐々に高まってきていた。
私は医学部志望。
西崎くんも、お家が大きな病院だ。従って、医学部志望だろう。
手塚くんは、調剤薬局を手広く展開する会社が実家と聞いたが、
本人は薬学志望なのか、医学部志望なのか、よくわからない。
それよりも私にとって、多分、他のみんなもそうだと思うのだが
何よりも衝撃的な出来事があった。
あの国松先生が
辞職された。
転勤ではなく辞職とのことだ。
高校2年の終業式の日に演壇上の、校長先生から知らされた。
演壇上に呼ばれた国松先生の顔には悲壮感もなく、何だか
すっきりとした明るい顔をされていた。
却って
視線の中にいた西崎くんや手塚くんの顔色の方が悪く、悲壮感さえ漂っていた。
生徒の中では一部、
西崎くんら二人が起こした事件で、先生が責任を取らされた
などと真実かどうかはわからないが、そういう噂が飛び交っていた。
先生ご自身は
辞職の理由は、自分の我儘ですが以前から自分のしたいことをするために
辞職することにしました。
と簡潔に述べられるだけだった。
私が出会った先生という名のつく人の中で、国松先生が一番人間らしく、
尊敬できる先生だった。
あの日
理恵おばさんのオフイスで出会ったことと、何か関係があるのだろうか。
きっと
おばさんに尋ねても答えてくれまいが、差支えなのない範囲では教えて
くれるかもしれない。
そんな衝撃的な出来事だったにも関わらず
時間が経つにつれて、みんなの中から国松先生という存在が、薄れていった。
私は、もっと先生と話したかった。
きっと
私のモヤモヤとした気持ちも、真摯に聞いてくださったに違いない。
私が全てを話せるかどうかだけなのだが。
周りを見渡しても
私が相談できるような人、私の悩みをただ聞いてくれるような人はいなかった。
母とは、あれ以来、何となく当たり障りのない話しかしない。
理恵おばさんは、忙しそうだし、迅くんの司法試験受験もあって
気軽にお邪魔できそうな雰囲気ではなかった。
母方の祖父母には、母が私たちの現状を詳しく言っているかどうかも
わからないので、迂闊なことを言って心配はさせたくなかった。
こんな出口が見えないような悩みを抱えていて
どこで自分を解放してあげればいいのか、、、
あの時と同じ、
受験に向けて余計なことを考えないようにするしかなかった。
西崎くんは、付き合う女子がいつも変わっていた。
雨の日などは、相合傘で仲良く下校するシーンなどもよく見られた。
彼もいろいろなことがあったが、吹っ切れたということだろうか。
人の心配をしている場合じゃないでしょ!
と
自分の思いにツッコミを入れながら、意識を彼から引き離す。
手塚くんが、西崎くんが私のことを好きだ、、、なんて余計なことを
いうから、私は自然と彼を意識しているのかもしれない。
今は
多分違うと思う。
あのような騒動を起こしたからと言って、眉を顰めるような様子はその女子たちにはなく、彼の横には、学年でも美人や可愛いと言われる女子が、月替わりのようにいる。
いつでも
どこでも
男女というのは、不思議なもの。