こんなにも愛しているのに〜私はましろ

驚愕

もちろん
その日、目にしたことは誰にも言わなかった。

ただ
西澤さんが泣く姿を見て、心が痛んだ。

完全な独りよがりの、一目惚れだった。
その西澤さんと同じ学校、おまけに同じクラスになれて、
にやつく顔を引き締めるのに苦労をしたが、
達のあの時の子という発言に、西澤さんは一切知らぬ存ぜぬを
貫き通した。

思い出したくもない出来事だろうし、
あの日、あいつらの悪巧みであの道を通らされたことを思ったら、
一緒に連んでいた、俺たちへの心象も悪いに違いなかった。

少し
凹んでしまったが、同じクラス委員で一歩近づいたような気がして
それはそれでうれしかった。
もちろん
達には、これ以上いらぬことを言うな、と釘を刺しておくのを忘れなかった。

しかし
高校部だったあの4人が、高校の門の前に現れたのは計算外だった。
しかも
あの時の西澤さんのことを覚えていて、彼女に絡んだことも、思いもがけないことだった。

あの4人組に初めナンパされたのは達だった。
俺たちは、もう声変わりもすみ、身長も175cm超えで、見た目は
中学生には見えなかったのだろう、塾で同じ高校生かと思って
ナンパされたのだった。

達は彼女たちの大人っぽい雰囲気に、興味津々で乗った。
俺は、彼女たちを取り巻く高校部塾生の、微妙な空気を察して
達に近づくなと警告をしていたが、調子に乗った達から頼まれて、何回か
彼女たちとゲーセンや、カラオケで遊んだこともあった。

ただ、カラオケなどの時の距離の近さや、着ている服の露出の多さに
俺はゲンナリとして、もう二度と一緒に遊びに行かないと、達に言った。
達にもいい加減にしろと言ったのだが、
達は受験も終わった頃に、彼女たちの誘いに乗って、結局ホテルに
連れ込まれ、危ないと思ったらしいが、飲酒を強要され、
いかにもやりましたという、事後らしき写真を撮られたのだった。
もちろん、本人にその自覚はなかった。

1:2で。。。
彼女たちも裸身だとわかる画像だった。ご丁寧に使用後のゴムも撮られていた。
本物かどうかわからないが、、、
達は飲酒のせいで、眠り込んでいたらしい。

その画像のせいで、俺たちは恐喝された。
一切の呼び出しに応じない達。達が大事なら俺にも出てこいと言われた。

あまりの執拗な呼び出しに、仕方なく出て行くと始まった脅し。

果てしなくこのどろどろとした状態が続くのかと思ったら、
俺たちにできることは彼女たちからの連絡を拒否ることしかなかった。
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