こんなにも愛しているのに〜私はましろ
しかし
私は両親に素直におめでとうとは言えず、
自分の大学の附属病院の産婦人科で、お世話になることになった
母に付き添いを買って出ることで、
母の妊娠を受け入れた、、、という意思表示に変えた。
父も母に付き添っていた。
父は妊娠はうれしいものの、母の年齢を考えると手放しでは
喜べないといったところが本音だった。
検診が終わって、家に帰ってきた時。
3人とも疲れていた。
「大丈夫だから。今度は、あまりつわりもないし、元気だから。
お腹の子たちに心音も、ちゃんと聴くことができたでしょ。」
子たち、、、
「いくら経産婦でも、年齢が年齢だし、おまけに多胎で、、、
心配が尽きないことばかりだよ。」
父が弱音を吐く。
「あなたはこの子たちに、会いたくないの?
まさか諦めろとは、言わないわよね。」
珍しく母が興奮気味に言う。
「会いたいさ!うれしい、だけど、普通以上に危険が伴うのを、わかっていて
君に、その負担を負わせるのは、、、どうだろう?」
「樹は、、、樹はまた逃げるの?」
母の声が泣きそうだった。
「茉里、、、違う、、、君に何かあったら、、、」
「そんなのわからないじゃない、何もないかもしれない。
何かあったらって、そんなことばかり思っていたら、
一歩も前に進めない。」
「もう、いい加減にしたら、、、」
私の目の前で起きた夫婦の諍いに、うんざりとして二人の会話を遮った。
「お父さんもお母さんが妊娠をして、心配なら、何でちゃんと避妊をしなかったの。
すでに妊娠したことを後悔しても、お母さんの持っている母性では
諦めることをしないでしょう。
多胎の場合流産の危険、早産の危険は、これから日々のこととなるわけだから
気をつけて暮らすことを第一に、ギリギリまでお腹にいさせてあげて。
多分、帝王切開となると思う。
あまり、体力が落ちないよう、健康的な生活を心がけて。
心身ともにね。
私もまだまだ医学生になったばかりだから、
わからないことだらけだけど、きちんと先輩や先生にお尋ねして、
お母さんがちゃんとお産できるように、フォローするつもりだから。
お父さんもマイナーな考えばかりに囚われないで、
妊娠させた責任をちゃんと取りなさいね。」
母は大きく頷き、父は天を仰いだ。
そう
母は双子を妊娠した。
私は両親に素直におめでとうとは言えず、
自分の大学の附属病院の産婦人科で、お世話になることになった
母に付き添いを買って出ることで、
母の妊娠を受け入れた、、、という意思表示に変えた。
父も母に付き添っていた。
父は妊娠はうれしいものの、母の年齢を考えると手放しでは
喜べないといったところが本音だった。
検診が終わって、家に帰ってきた時。
3人とも疲れていた。
「大丈夫だから。今度は、あまりつわりもないし、元気だから。
お腹の子たちに心音も、ちゃんと聴くことができたでしょ。」
子たち、、、
「いくら経産婦でも、年齢が年齢だし、おまけに多胎で、、、
心配が尽きないことばかりだよ。」
父が弱音を吐く。
「あなたはこの子たちに、会いたくないの?
まさか諦めろとは、言わないわよね。」
珍しく母が興奮気味に言う。
「会いたいさ!うれしい、だけど、普通以上に危険が伴うのを、わかっていて
君に、その負担を負わせるのは、、、どうだろう?」
「樹は、、、樹はまた逃げるの?」
母の声が泣きそうだった。
「茉里、、、違う、、、君に何かあったら、、、」
「そんなのわからないじゃない、何もないかもしれない。
何かあったらって、そんなことばかり思っていたら、
一歩も前に進めない。」
「もう、いい加減にしたら、、、」
私の目の前で起きた夫婦の諍いに、うんざりとして二人の会話を遮った。
「お父さんもお母さんが妊娠をして、心配なら、何でちゃんと避妊をしなかったの。
すでに妊娠したことを後悔しても、お母さんの持っている母性では
諦めることをしないでしょう。
多胎の場合流産の危険、早産の危険は、これから日々のこととなるわけだから
気をつけて暮らすことを第一に、ギリギリまでお腹にいさせてあげて。
多分、帝王切開となると思う。
あまり、体力が落ちないよう、健康的な生活を心がけて。
心身ともにね。
私もまだまだ医学生になったばかりだから、
わからないことだらけだけど、きちんと先輩や先生にお尋ねして、
お母さんがちゃんとお産できるように、フォローするつもりだから。
お父さんもマイナーな考えばかりに囚われないで、
妊娠させた責任をちゃんと取りなさいね。」
母は大きく頷き、父は天を仰いだ。
そう
母は双子を妊娠した。