佐藤さん家のふたりとわたしと。
そう思ってた中学1年の春ー…。
「ねぇー、大志!瓶の蓋開けてくれない??」
突然何かと思えば、お隣さんの芽衣がハチミツの瓶を持って我が家にやって来た。
「ヨーグルトにかけようと思ったんだけどめっちゃ固いの!全然開かないの!」
日曜日のほとんど昼に近い朝、いつもは賑わう我が家だけどちょうどこの時は俺しかいなかった。
だけどハチミツの瓶ぐらい誰にでも…
「ん、貸して」
大して力を入れる前に、いとも簡単に開いたし。
「え、一瞬!?」
「こんなん余裕じゃん」
蓋の緩めたハチミツの瓶を芽衣に返した。
「何回もやってみたんだけどなぁ、やっぱ男の子だね大志」
「いやいや、こんなんうちのねぇーちゃんたちなら一瞬だし」
「えー」
つーかそれは芽衣がどんくさいだけじゃね?
こんなの結華ねぇーちゃんや織華ねぇーちゃんなら一呼吸で開けてる。
俺なんかこないだ織華ねぇーちゃんと腕相撲して負けたぐらいの非力さなんだから…
ん?ちょっと待てよ?
ふと思った、じゃあ芽衣とやったらどうなのかな?
「なぁ、腕相撲しよ!」
「はっ、何急に!?絶対負けるじゃん私!」
「いいからいいから!」
リビングのテーブルに腕を曲げて右ひじをつけた。無理やりの提案にちょっと不服そうな表情をした芽衣も同じように右腕を曲げ肘をテーブルにつけて、手を組んだ。
「じゃあ、いくよ!」
レディーファイ!なんて言う必要あったかな、ぐらい勝負はめちゃくちゃ簡単についた。
「え!?マジで今の本気!?」
あっという間の決着にビックリした。こんなすんなり勝つ試合があるのかって。
「超本気ーーーーー!!!」
「弱っ!ちゃんと力入れた?」
「入れたってば、私が大志に勝てるわけないじゃん!」
「マジで…?」
離した手のひらを見る。
「………。」
初めて思った。
女の子って意味が。
握った手の感触とか、全然足りない力加減とか、これが女の子なんだ…!
変わらないと思ってたものが、思ってたのと全然違って、それがすごく繊細に思えた。
大事にしなきゃいけないって、思った。
「ねぇー、大志!瓶の蓋開けてくれない??」
突然何かと思えば、お隣さんの芽衣がハチミツの瓶を持って我が家にやって来た。
「ヨーグルトにかけようと思ったんだけどめっちゃ固いの!全然開かないの!」
日曜日のほとんど昼に近い朝、いつもは賑わう我が家だけどちょうどこの時は俺しかいなかった。
だけどハチミツの瓶ぐらい誰にでも…
「ん、貸して」
大して力を入れる前に、いとも簡単に開いたし。
「え、一瞬!?」
「こんなん余裕じゃん」
蓋の緩めたハチミツの瓶を芽衣に返した。
「何回もやってみたんだけどなぁ、やっぱ男の子だね大志」
「いやいや、こんなんうちのねぇーちゃんたちなら一瞬だし」
「えー」
つーかそれは芽衣がどんくさいだけじゃね?
こんなの結華ねぇーちゃんや織華ねぇーちゃんなら一呼吸で開けてる。
俺なんかこないだ織華ねぇーちゃんと腕相撲して負けたぐらいの非力さなんだから…
ん?ちょっと待てよ?
ふと思った、じゃあ芽衣とやったらどうなのかな?
「なぁ、腕相撲しよ!」
「はっ、何急に!?絶対負けるじゃん私!」
「いいからいいから!」
リビングのテーブルに腕を曲げて右ひじをつけた。無理やりの提案にちょっと不服そうな表情をした芽衣も同じように右腕を曲げ肘をテーブルにつけて、手を組んだ。
「じゃあ、いくよ!」
レディーファイ!なんて言う必要あったかな、ぐらい勝負はめちゃくちゃ簡単についた。
「え!?マジで今の本気!?」
あっという間の決着にビックリした。こんなすんなり勝つ試合があるのかって。
「超本気ーーーーー!!!」
「弱っ!ちゃんと力入れた?」
「入れたってば、私が大志に勝てるわけないじゃん!」
「マジで…?」
離した手のひらを見る。
「………。」
初めて思った。
女の子って意味が。
握った手の感触とか、全然足りない力加減とか、これが女の子なんだ…!
変わらないと思ってたものが、思ってたのと全然違って、それがすごく繊細に思えた。
大事にしなきゃいけないって、思った。