佐藤さん家のふたりとわたしと。
「あ、もうサッカーしてるし。移動マッハか」

職員室へ行く前にトイレに寄っていたらいつの間にかもう窓の外ではグランドを走り回る2人の姿があった。

元気だけは本当有り余ってるんだから、こんな寒いのによくサッカーなんてできるな…私には無理だな。

「…帰ろ」

教室から職員室まで地味に遠い。

入り組んでるっていうか、上行ったり下行ったり、うちの校舎はどんな作りしてるのコレ。

田舎にある学校の作りなんてそんなものなんだろうなー…

「………っ」

…やばい、頭痛が本格的だ。

グラグラと揺れる感覚。

早く帰ろう。

急いで、とにかく、もう帰るだけだし。

さっと置いて早く早く…っ

あと3段、階段を下りるだけだった。

1歩下りたはずだった。

クラッと体がふらついた。

次の瞬間、ガクンっと足が…

あっ!やばい!

落ちるー…!





ーー、ー…。















ー…。
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