佐藤さん家のふたりとわたしと。
今日も全然眠れなかった。
でももううじうじ考えるのもやめる。
私やっぱり2人が好きだから。
そう、きちんと伝えよう。
「奏志、今日一緒に帰ろう。部活終わるの待っててもいい?」
「は…?」
部活へ行く前の奏志を呼び止める。目を丸くして驚いた表情をしていた。
「いーけど…」
「じゃあ待ってるから!部活がんばってね!」
私が奏志に話しかけるのを前の席で聞いていた大志に“先帰ってていいよ”とだけ伝えた。変に思ったかな…、でもきちんと奏志と話をしたいから。ずっと言えてない返事の答えをしたい。
「おつかれさまっ」
「おー、お疲れ」
部活が終わった奏志を下駄箱で待って、そのまま一緒に帰った。
まだまだ寒い3月の帰り道、白い息が目立つ。
「…もうすぐ春休みだな」
どうやって話始めようか悩む私より先に口を開いたのは奏志の方だった。
「そうだね、早くあったかくなってほしい!」
「今年もみんなで花見行くのかなー」
「紘一パパが張り切るよね、怜お兄ちゃんは今年も欠席かもしれないけど」
「怜くんバイト以外生きがいねぇのかな」
「お兄ちゃんからバイト取ったら何も残らないから」
他愛もない話をして、少しだけ笑った。
久しぶり、こんな風に話したのは。
まだちょっとぎこちなかったけど…話せてよかった。
暗くなった空の下、すぅっと息を吸った。
言わなくちゃ、もう逃げない。
でももううじうじ考えるのもやめる。
私やっぱり2人が好きだから。
そう、きちんと伝えよう。
「奏志、今日一緒に帰ろう。部活終わるの待っててもいい?」
「は…?」
部活へ行く前の奏志を呼び止める。目を丸くして驚いた表情をしていた。
「いーけど…」
「じゃあ待ってるから!部活がんばってね!」
私が奏志に話しかけるのを前の席で聞いていた大志に“先帰ってていいよ”とだけ伝えた。変に思ったかな…、でもきちんと奏志と話をしたいから。ずっと言えてない返事の答えをしたい。
「おつかれさまっ」
「おー、お疲れ」
部活が終わった奏志を下駄箱で待って、そのまま一緒に帰った。
まだまだ寒い3月の帰り道、白い息が目立つ。
「…もうすぐ春休みだな」
どうやって話始めようか悩む私より先に口を開いたのは奏志の方だった。
「そうだね、早くあったかくなってほしい!」
「今年もみんなで花見行くのかなー」
「紘一パパが張り切るよね、怜お兄ちゃんは今年も欠席かもしれないけど」
「怜くんバイト以外生きがいねぇのかな」
「お兄ちゃんからバイト取ったら何も残らないから」
他愛もない話をして、少しだけ笑った。
久しぶり、こんな風に話したのは。
まだちょっとぎこちなかったけど…話せてよかった。
暗くなった空の下、すぅっと息を吸った。
言わなくちゃ、もう逃げない。