佐藤さん家のふたりとわたしと。
「奏志と仲直りしたんだ?」

「あ、うん!仲直り…?した!」

ていうかケンカしてたわけではないんだけど。
仲直りっていうか、向き合わなきゃって思っただけで、それでもう避けるのもやめようって。何の解決策のもならなかったし。

「じゃあなんで一緒にいないの?」

「え?一緒にいないのって…?」

なかなか飲み込めないパンケーキを無理矢理水で流し込んだ。

あれはきっと奏志が何か思ってわざと今日一緒に帰らなかったんだと思う。
そのわざとは…なんとなく予想は付くけど、それを大志には言えないよ…!

「大志は!?奏志と仲直りしたの?」

「…さぁ?したっけ?」

「まだケンカしてるの?2人がケンカしたままなの嫌なんだけど」

「だいたいほっといたらどーにかなるよ、そんなもんだから」

小さく小さくパンケーキを切った。

大志はそんな風に言うけど…、いいのかなそれで。

「うん…」

私が原因で2人がこうなっちゃったんだし、できることなら仲を取り持ってあげたい。
それが全然上手くいかなかったけど…、基本私何も出来ないな本当。

むしろただ悪化させてるようなー…


ん?

てゆーか私が原因だったんだよね?

大志は私が奏志を避けてた理由を知ってる…かもしれない。

それって奏志にこっ告白されて(小声)キッキスされそうになって(小声)返事に困った挙句めっちゃくちゃ避けた。


その結果、2人がケンカをした。


なんで?なんで2人がケンカする流れになったのそれ?別に大志と奏志がケンカする理由にはならなくない?

あの時は自分のことでいっぱいいっぱいで考えられなかったけど、今冷静になってみればおかしくない?

ふと結華お姉ちゃんの言葉が頭をよぎった。


“双子はいつでも同じものを好きになってたでしょ?”


ぼんっと顔が熱くなる。

いやいやいやいやいやいやいや∞…、それは自惚れすぎでしょ!そんな自己都合よすぎ!

ちらりと大志の顔を見る。

「ん?どうかした?」

「パンケーキおいしいね!」

「うん、マジうまい」




…でももし本当にそうだったら?
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