佐藤さん家のふたりとわたしと。
2人の間に挟まれて学校を出た。

「寒い~!」

「芽衣、風邪気をつけてよ」

「うん、奏志マフラー貸して!」

「持ってるだろ!」

寒いけど、不思議と心はあったかくて。

締まりかけの校門を出ると1台の車が止まっていた。あれは見たことがある。

「あ、優志!と、正志(まさし)お兄ちゃん!」

ウィーンと窓開いた。

「おかえり、めいちゃん。迎えに来たよ、正志にーちゃんと」

助手席に座る優志の隣でゴリッゴリのライダース姿でカッコよく決めてるのは大志と奏志、優志たちのお兄ちゃんの正志兄ちゃん。

「え、私を?」

「朝体調悪そうだったから。…大丈夫?」

パチパチと2回瞬きをしてしまった。

「わざわざ来てくれたの?」

そーいえば朝、優志が何か言いかけたような。2人のいざこざのせいでそのままになっちゃったけど、もしかして優志は気付いてた…?

「嬉しい!ありがとう!」 

「芽衣ちゃん寒いから早く乗りなよ」

「正志お兄ちゃんもありがとう!」

すぐにドアを開けて後ろに乗った。

わ、あったかい最高!

「じゃあ、行くよ」

ブオォンと音を出して車が走り出す。

「「おいっ、俺らは!!?」」




日向野芽衣、高校1年生。

きっと体調なんてすぐによくなっちゃう!

だって今日も元気に楽しいからっ
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