佐藤さん家のふたりとわたしと。
起きるのには時間かかるくせに用意だけは異常に早い大志はキャップを被っていつでも出られるらしい。5分でイケるって逆に何の準備してんだよっ。

逆にうちで1番準備に時間がかかる結華ねぇーちゃんは誰より早く起きて念入りに髪を巻いている。キャンプとは思えねぇ服を着て…キャバ嬢めっ。

とーちゃんはでかい動きをしながらレンタカーの確認中、窓から外を見てもチラチラと見切れたりしてどれだけ無駄な動きが多いのかがよくわかる。

正志にーちゃんはじーちゃんとばーちゃんを呼びに行くと出て行った。

大家族の我が家はとにかくいつでも騒がしい。

「織華ねぇーちゃんもどっか行くの？」

「うん、お隣さん迎えに行こうかと思って！ね、優志！」

「すぐ戻って来るよ」

「ふーん」

迎えにいかんでも隣じゃんと思ったけど、そんなこと言ってる場合じゃない。俺も急いで準備をしないと。

着替えてさっと髪を整え、昨日から準備してあったリュックを背負った。
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