佐藤さん家のふたりとわたしと。
夜中はしゃぎ過ぎたせいで次の日は3人そろって寝坊。

キャバ嬢結華の服装に少しだけ目が覚めて3人で笑った。

そしたら怒られた。

「奏志ー、もう行くってー」

「おう、もう行く」

最後までコテージの中で帰り支度をしていた俺を大志が呼びに来た。

「忘れもんない?」

「ない!大丈夫!」

とんとんとんっと靴を鳴らしながら履く。

「あ、そうだ大志!」

「ん?なに?」

「俺もう踏ん切り着いたわ!」

「は?なにが?」

ずっと離れなきゃいけないって、思ってた。

でも離れる理由もなかった。

離れちゃいけないんだ。

「俺よく考えたらお前の事も好きなんだよな」

「…何言ってんの?」

「やっぱ家族だからな!」

「マジでキモいんだけど」

まだ少し痛む胸の傷はきっとゆっくりだけど癒えていくから。

これからも、きっと大丈夫。

笑ってられるよ、一緒に。
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