佐藤さん家のふたりとわたしと。
第十二章「お父さんとお母さん」
MEI Story
あれは12歳の誕生日だった。
学校から帰って来てランドセルを置いてすぐにお隣さん家に向かおうと、慌ただしく外に出ようとした瞬間…
プルルルと電話が鳴り響いた。
「あ、お母さんたちからかも!」
常に海外で仕事をしている両親はクリスマスもお正月も誕生日だって関係なく不在なのが日向野家だった。
でも毎年誕生日に電話だけはかけて来てくれていた。
「もしもしお母さん!?お父さん!?」
“お誕生日おめでとう”
その言葉が聞けると思って取った電話。
「………。」
途中から何を言ってるのかわからなかった。
その日以来両親は帰って来ていない。
学校から帰って来てランドセルを置いてすぐにお隣さん家に向かおうと、慌ただしく外に出ようとした瞬間…
プルルルと電話が鳴り響いた。
「あ、お母さんたちからかも!」
常に海外で仕事をしている両親はクリスマスもお正月も誕生日だって関係なく不在なのが日向野家だった。
でも毎年誕生日に電話だけはかけて来てくれていた。
「もしもしお母さん!?お父さん!?」
“お誕生日おめでとう”
その言葉が聞けると思って取った電話。
「………。」
途中から何を言ってるのかわからなかった。
その日以来両親は帰って来ていない。