佐藤さん家のふたりとわたしと。
「…大志、起きてる?」

「んー、なに?」

もう半分寝かけたのに奏志に起こされた。
芽衣はすやすやと俺らの真ん中で眠ってる、手を繋いだまま。

「芽衣を泣かせる芽衣のとーちゃんとかーちゃんが俺は嫌いだ」

「うん…」

そーいえば芽衣は昔から動物が嫌いだった。

両親が動物病院の先生なのに変なのって思ってたけど、それも裏返しだったのかもしれない。

「だからさぁ!俺らが家族になってやればいいんじゃね!?」

がばっと勢いよく起き上がって、俺の方を見た。そんな勢いよく起きたら芽衣も起きるだろ。

それに…そうやって奏志は言ったけど、俺の中ではもう答えは出てて。

「もう家族じゃん」

これ以外に思ったことはなかったから。

「…そっか、じゃあいっか!」

またバタンッの布団の中へ戻って行った。

満足したのかすぐに寝息を立てて眠り始めた。俺も下りて来た瞼に従うように目を閉じた。
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