佐藤さん家のふたりとわたしと。
…そーだった、そう思ってたはずなのに。
自分の気持ちばっか先走って、何より大事なことを忘れるところだった。

「そんなめんどくさい奴彼女にしたのはお前だからな」

もうすぐ空になりそうなコーラの入ったペットボトル、そろそろ帰らないと結華ねぇーちゃんにどやされるぐらい怜くんと話してた。

早く帰ろう、帰って言わなきゃいけないことがある。

「怜くん…、怜くんもうちの家族だよ」

「俺はいいよ、気にしてないから」

ずっと一緒だったじゃん。

ごめんってちゃんと謝らなくちゃ。

約束破ったら奏志にも怒られるところだった。

あの日、2人で誓ったんだから。
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