佐藤さん家のふたりとわたしと。
数時間後、ダンボールの切れ端が部屋中に散らばったところで出来上がった。

「「完成~~~~!!!いえーーーい!!!」」

2人の喜ぶ声とハイタッチが木霊する。

「「はい、芽衣どうぞ!」」

上機嫌に2人から渡された。

「うん、…ありがと」

所要時間2時間半、そのうち30分2人が最後のチョコレートをどっちが食べたかで言い合いした時間。

そうして作られたダンボールのロケット型羽付きポスト。

私がピンクで塗った〒のマークが地味に目立つ。

「…いらない!」

「「なんでだよ!!」」

「最初からいらないって言ったじゃん~!!」

「俺らは芽衣のために作ったんだぞ!なぁ、大志!」

「おうっ、これで怜くんと手紙交換できるよ!」

「2人が作りたかっただけじゃん!それぐらい暇だったんでしょ!!!」

「「うん、めちゃくちゃ暇だった」」

おい何だコンチクショー!!

急に開き直ったかのように2人が真顔で答えてきた。

「じゃなきゃこんなダセぇもん作るわけないだろ」

奏志が言い出したんでしょ!

「小学生じゃないんだからねぇ」

大志もノリノリだったじゃん!高校生でこんなことしてるのも私たちぐらいだよ!途中から本当恥ずかしかったよ!!

すっごく気に入らない!!!

…まぁでも。

「いい暇潰しにはなったな~」

「な、暇は潰れたな!」

2人とこうしてる時間は私も嫌いじゃない。

「「なっ!!」」

手に持ったダンボールで作られたロケット型羽付きポストを見て笑っちゃう自分もいるんだ。

「…じゃあお兄ちゃんに手紙書く」

2人がこのためだったのは本当だと思うから。その気持ちは伝わってるよ。

「おう!書け書け!」

「返事来るといいね!」
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