佐藤さん家のふたりとわたしと。
「「「「ただいまー!」」」」

「「あ、ねぇーちゃんたち帰って来た!」」

だだだだっと玄関へ向かうと、ねぇーちゃんたちと怜にーちゃん、怜にーちゃんの後ろに隠れるように芽衣がひょこっと顔を出していた。

「「芽衣っ」」

「ほら、早く行けよ。いつまで俺に隠れてんだよ」

「こら怜!妹に優しくしなさいよ!」

「結華も優しくしてるかあれだろ」

「妹には優しくしてる!」

怜にーちゃんの後ろからゆっくり出て来た芽衣は俯いたままだったけど。

「…やっぱり一緒に遊ぶ」

もう泣いてなかったから。

「「うんっ!!!」」

芽衣が笑ったらオレらも笑うのかもしれない。

「全然気にしなくていいのよ、芽衣。これからも結華お姉ちゃんって呼んでね!」

「僕も正志お兄ちゃんでいいよ」

「織華ねぇーちゃんも!」

「俺も怜お兄ちゃんでいいよ~」

「怜は元からお兄ちゃんでしょ!」

な、みんなそんなこと気にしてないだろ!
何一つ変わらないんだ!

「「怜にーちゃぁーーーーーん!!!」」

怜にーちゃんだってオレらのにーちゃん…っ

「嫌!呼ばないで!!」

「「え??」」

「怜お兄ちゃんは芽衣のお兄ちゃんだもんーーーーーー!」

「「はぁーーーーーーーー!?」」


芽衣は独占欲が強かった。


うちのねぇーちゃんたちは呼ぶくせに俺らには呼ばせてくれないのかよっ!どんなマウントの取り方だ!!

まぁいいけど、俺は別にどっちでもいいし呼び方なんて。だってそんなん関係ねぇーからな。




…ただもう1つ思い出したのは今現在バイトばかりしてる怜くんはそこだけ聞くと真面目そうだけど実際はまぁテキトーで芽衣に対してもそんな感じだったなってこと。そら正志にーちゃんにお兄ちゃん像求めてるのわからんでもない。



なーんて言う昔があったな…
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