佐藤さん家のふたりとわたしと。
お風呂を借りた後、双子の部屋で一緒にゲームをする。毎度私がボッコボコにされるあのフィールドから落ちたら負けのあのゲーム。
「ねぇ~~~~~!強すぎるから2人とも1回コントローラー置いて!」
「「なんでだよっ」」
コンコンっとドアが叩かれた。
「芽衣もう寝るよ」
結華お姉ちゃんだ。
「はぁい」
昔は大志と奏志と一緒に寝てたけど、中学生ぐらいから結華お姉ちゃんの教えで寝かせてもらえなくなった。その時は悲しかったけど、その代わり結華お姉ちゃんの部屋で織華ねぇーちゃんと3人で寝ることになった。それも楽しいから好き。
結華お姉ちゃんがベッド、その下に2枚布団を敷いて私と織華ねぇーちゃんが寝る。真ん中が私の指定席。
「電気消すよ」
結華お姉ちゃんがリモコンで電気を消した。
結華お姉ちゃんにはみんなの公認の彼氏がいる。基本彼氏の切れることがない結華お姉ちゃんの今の彼氏は確か付き合ってもう2年ぐらい。
でもなぜか結華お姉ちゃんに彼氏がいても寂しいって思ったことないんだよね。ずっと彼氏がいるからかなぁ…うーん、それも不思議だな。
「ねぇねぇ結華お姉ちゃん、最近彼氏とどこ遊びに行ったの?」
豆電球が灯った部屋の布団の中、寝る前はいつもお喋りをする。
「ファミレス」
「いいなぁ~♡彼氏とデートとか夢だな~♡」
結華お姉ちゃんの話はどれも新鮮で何を聞いても楽しい。私には経験したことないことばかり教えてくれるから。
「結華お姉ちゃんもうすぐ誕生日だよね!何するの?どっか行ったりするの?」
「まだ何も決まってないわよ」
隣で織華ねぇーちゃんは全く話に入って来ない。たぶんすでにうとうとしてる。
「ねぇ、結華お姉ちゃん」
「何?まだ何かあるの?」
「…怜お兄ちゃんって彼女いる?」
「え、怜くん彼女いるの!?」
なぜかそこだけ織華ねぇーちゃんが会話に入って来た。そんなに興味あったのか、うちのお兄ちゃんの話。
「あー…」
ちょっとだけ緊張した。答えを聞くのが。
「いないわよ」
「いないの?こないだ女の人と一緒にいたよ!あれ彼女じゃないの!?なんか嬉しそうに笑ってたし!」
「は?怜は普段家で笑わないわけ?」
「笑うけど、なんか違って見えたもん」
「それは芽衣の色眼鏡でしょ」
…言われてみれば確かに。
外でお兄ちゃんが私の知らない女の人といるとこ初めて見たからちょっとー…そんな風に見ちゃったかもしれないけど。しかもよそ行きの顔してたから、それがやけに鮮明に残っちゃってたのかもしれない。
「誰といたかは知らないけど、今はいないね」
「ふーん、そうなんだ…」
あれ彼女じゃなかったんだ。
へぇー、違ったんだ。
ふーん…
ちょっとだけ良かった、って思っちゃった。
モヤモヤしてた気持ちが晴れて、気付いたら眠ってしまっていた。
「ねぇ~~~~~!強すぎるから2人とも1回コントローラー置いて!」
「「なんでだよっ」」
コンコンっとドアが叩かれた。
「芽衣もう寝るよ」
結華お姉ちゃんだ。
「はぁい」
昔は大志と奏志と一緒に寝てたけど、中学生ぐらいから結華お姉ちゃんの教えで寝かせてもらえなくなった。その時は悲しかったけど、その代わり結華お姉ちゃんの部屋で織華ねぇーちゃんと3人で寝ることになった。それも楽しいから好き。
結華お姉ちゃんがベッド、その下に2枚布団を敷いて私と織華ねぇーちゃんが寝る。真ん中が私の指定席。
「電気消すよ」
結華お姉ちゃんがリモコンで電気を消した。
結華お姉ちゃんにはみんなの公認の彼氏がいる。基本彼氏の切れることがない結華お姉ちゃんの今の彼氏は確か付き合ってもう2年ぐらい。
でもなぜか結華お姉ちゃんに彼氏がいても寂しいって思ったことないんだよね。ずっと彼氏がいるからかなぁ…うーん、それも不思議だな。
「ねぇねぇ結華お姉ちゃん、最近彼氏とどこ遊びに行ったの?」
豆電球が灯った部屋の布団の中、寝る前はいつもお喋りをする。
「ファミレス」
「いいなぁ~♡彼氏とデートとか夢だな~♡」
結華お姉ちゃんの話はどれも新鮮で何を聞いても楽しい。私には経験したことないことばかり教えてくれるから。
「結華お姉ちゃんもうすぐ誕生日だよね!何するの?どっか行ったりするの?」
「まだ何も決まってないわよ」
隣で織華ねぇーちゃんは全く話に入って来ない。たぶんすでにうとうとしてる。
「ねぇ、結華お姉ちゃん」
「何?まだ何かあるの?」
「…怜お兄ちゃんって彼女いる?」
「え、怜くん彼女いるの!?」
なぜかそこだけ織華ねぇーちゃんが会話に入って来た。そんなに興味あったのか、うちのお兄ちゃんの話。
「あー…」
ちょっとだけ緊張した。答えを聞くのが。
「いないわよ」
「いないの?こないだ女の人と一緒にいたよ!あれ彼女じゃないの!?なんか嬉しそうに笑ってたし!」
「は?怜は普段家で笑わないわけ?」
「笑うけど、なんか違って見えたもん」
「それは芽衣の色眼鏡でしょ」
…言われてみれば確かに。
外でお兄ちゃんが私の知らない女の人といるとこ初めて見たからちょっとー…そんな風に見ちゃったかもしれないけど。しかもよそ行きの顔してたから、それがやけに鮮明に残っちゃってたのかもしれない。
「誰といたかは知らないけど、今はいないね」
「ふーん、そうなんだ…」
あれ彼女じゃなかったんだ。
へぇー、違ったんだ。
ふーん…
ちょっとだけ良かった、って思っちゃった。
モヤモヤしてた気持ちが晴れて、気付いたら眠ってしまっていた。