佐藤さん家のふたりとわたしと。
「昔はよく泣かされてたなぁ」
「え!?お兄ちゃんに!?」
正志お兄ちゃんが眉をハの字にして笑った。逆に私の眉毛は吊り上がった。
「なんで!?何があったの!?」
「ん~、特に大きな理由があったわけじゃないけど…子供の頃のケンカなんてよくあるでしょ?」
「あるけど…」
でもこの歩くマイナスイオンかと思うほど穏やかな正志お兄ちゃんが大きな声で言い合いするようには全然思えないし、子供だからってケンカしてるところも想像ができない。
優しさの塊であり、佐藤家の良心なのに、そんな正志お兄ちゃんを泣かせるようなこと…
「お兄ちゃん最ッ低!」
私の記憶ではお兄ちゃんやお姉ちゃんたちが泣いてた記憶がほぼない。
まぁたぶんそれは私がいつも泣いてたからで、誰より泣き虫だった自覚はある。
そして泣いてる私の話を聞いてくれるのが結華お姉ちゃん、なだめてくれるのが正志お兄ちゃん…
………。
……。
あ!そーいえば怜お兄ちゃんはそんなことしてくれたことない!!
いっつも隣でひゃっひゃっ笑ってた!!!
泣かしてる側だったとは思わなかったけど!!!
優しいフリして優しくないからな、怜お兄ちゃんは…!
昨日だってトイレットペーパー逆さに付けちゃっただけでグチグチ言ってきたし、その前は“準備万端”を“じゅんびまんたん”って読んだだけですごいバカにして来たもん!!!
「お兄ちゃんめ…!」
「昔の事だけどね」
正志お兄ちゃんは優しすぎるから、今もそうやって笑ってられるんだよ。私だったら一生許さない、後ろで呪いの呪文唱えてやるんだから。
「あ、コーラ買って行ってあげよ。もうなかったなぁ」
ほら、それは大志と奏志の好きなものじゃん。
そうやっていつもみんなのこと考えて笑ってる、優しい正志お兄ちゃんなんだから。
「え!?お兄ちゃんに!?」
正志お兄ちゃんが眉をハの字にして笑った。逆に私の眉毛は吊り上がった。
「なんで!?何があったの!?」
「ん~、特に大きな理由があったわけじゃないけど…子供の頃のケンカなんてよくあるでしょ?」
「あるけど…」
でもこの歩くマイナスイオンかと思うほど穏やかな正志お兄ちゃんが大きな声で言い合いするようには全然思えないし、子供だからってケンカしてるところも想像ができない。
優しさの塊であり、佐藤家の良心なのに、そんな正志お兄ちゃんを泣かせるようなこと…
「お兄ちゃん最ッ低!」
私の記憶ではお兄ちゃんやお姉ちゃんたちが泣いてた記憶がほぼない。
まぁたぶんそれは私がいつも泣いてたからで、誰より泣き虫だった自覚はある。
そして泣いてる私の話を聞いてくれるのが結華お姉ちゃん、なだめてくれるのが正志お兄ちゃん…
………。
……。
あ!そーいえば怜お兄ちゃんはそんなことしてくれたことない!!
いっつも隣でひゃっひゃっ笑ってた!!!
泣かしてる側だったとは思わなかったけど!!!
優しいフリして優しくないからな、怜お兄ちゃんは…!
昨日だってトイレットペーパー逆さに付けちゃっただけでグチグチ言ってきたし、その前は“準備万端”を“じゅんびまんたん”って読んだだけですごいバカにして来たもん!!!
「お兄ちゃんめ…!」
「昔の事だけどね」
正志お兄ちゃんは優しすぎるから、今もそうやって笑ってられるんだよ。私だったら一生許さない、後ろで呪いの呪文唱えてやるんだから。
「あ、コーラ買って行ってあげよ。もうなかったなぁ」
ほら、それは大志と奏志の好きなものじゃん。
そうやっていつもみんなのこと考えて笑ってる、優しい正志お兄ちゃんなんだから。