灰に汚れた六月に、世界を
「こんなこと間違ってるって、お前わかってんだろ!?今すぐこんなことやめて話し合おう!桐子ならきっとやり直せる。俺が一番よくわかってる。こんなこと、ただの思いつきとかでやる人じゃないってことも、本当は優しい人だってこともわかってるから!だから……」

悟は必死に説得するも、その言葉はもう桐子にはただの綺麗事にしか聞こえない。桐子は悟を睨み付け、「うるさいんだよ、この犬が!!」と言い悟を始末するために屋上へと向かう。

刹那、どこからともなく多くの呪術師が現れて桐子を取り囲む。呪術師の中には、桐子の知った顔もいくつかあった。誰もが桐子を睨み、いつでも殺せるようにしている。

「……蘆屋桐子、大人しくしろ」

年配の呪術師が武器を桐子に突き付ける。そして、他の呪術師は拘束具を取り出していた。

「あっははははははははははははははははははは!!捕まえられるもんなら捕まえてみな!!」

桐子がそう笑うと、数体の魔物が桐子を守るように取り囲む。そしてニタリと笑った。
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