“好き”じゃない勝ち・“好き”の負け
たわいもない話をしていると、家のすぐ近くまで来ていた。


「じゃあね。また明日~」


文乃が僕に向かって手を振り、家の敷地に入ったとき。



「待って、文乃」


思わず、引き留めてしまった。そのまますぐ横に移動する。


「えっ、なに?」


僕はゆっくり文乃の耳元に顔を近づき、一つ瞬きをした。
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