聖夜のおとぎ話
素敵なおとぎ話
「あけおめ、彦星に言えたの?」
「…一年に一回どころか、もう二度と会えないってなったらもう諦めてってことでしょ?」
「会えないってはっきり言われたってことで良い?」
…言われてない。
“日付け越えてから会うことになるけどいい?”小麦はそう言葉を続けたかもしれない。
私が臆病だから、小麦の言葉の続きを勝手に作って、「もう会えない」って返事に怯えて言葉を遮った。
「彦星スマホ持ってないわけ?」
「…そんな現実的なもの持ってるものなのかな」
「いい?冬侑。二度と会えない、なんて同じ世界線にいる限り無いよ
そんなに後悔してるなら、宇宙でもなんでも探しに行きなさい」
「うう、厳しいよ楓ちゃん…」
でもそうだ。
今はどこで何をしているのか分からないけど、小麦は毎年クリスマスに空にいるはずなんだ。
そうだとしても、探すってどうやって……