聖夜のおとぎ話




「髪、伸びた?」




「…一年も経てば伸びるよ」




「ごめん、髪まで冷たいね。来年はもっと早く来るよ」




「待ってるから大丈夫だよ」






小麦の指が私の髪に優しく触れるせいで、心臓が跳ねて苦しくなる。





仕方ない、だって一年ぶりなんだから。








────小麦が好きなんだから。








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