聖夜のおとぎ話
「冬侑そんなところで何してるのー?飽きてきちゃった?
冷えるし、そろそろ帰ろっか」
「わかった、今行く!」
ねえこむぎ、と教えてもらった名前を呼んで、彼の冷たく悴(かじか)んだ手をぎゅっと握った。
「また来年、ここで会おう!私、冬侑っていうの!こむぎともっと話したい!」
「来年…?」
「バイバイこむぎ!また来年!」
「……」
次の日起きると、枕元にはプレゼントと手紙が置いてあった。
“おなじ場所で待ってる”の一言。
ほんの少ししか顔を合わせていないはずなのに、不思議と小麦の顔は覚えていた。
次会えたら、もっとたくさん話したいな…