Hello,僕の初恋
私は今日も自信がない
その日は朝から小雨が降る、寒い日だった。
初めてみんなで打ち合わせした学校そばのマック、
その二階の窓際の四人掛けの席と、隣の二人掛けの席を今日もくっつける。
メンバーは前回と同じ位置に腰をかけ、私の左隣にはミカ先輩が座った。
「本日は皆さんに嬉しいお知らせがあります!」
アツキ先輩が一枚のルーズリーフを片手に、声を張り上げる。
向こうの席にいた女子高生たちが、その声にびくんと驚いたのが見えた。
窓の外ではしとしとと雨が降り、県道沿いのイルミネーションの装飾を濡らしていた。
「ノンちゃんが、新曲の歌詞を完成させてくれました!」
アツキ先輩の報告に、その場でおお~! と歓声が上がる。
普段はクールなショウくんも、冷たく見られがちなミカ先輩も、ぱちぱちと拍手をしてくれた。
「花音ちゃん、本当にありがとう」
ノゾムくんが、いつもの優しい笑顔でそう言う。
続いてメンバーのみんなからも、続々とお礼の言葉が聞こえた。
「これでいいのか分からないけど……。書いてみました!」
「じゃ、早速読み上げまーす! というか、歌います!」