Hello,僕の初恋
「ううん。そんなんじゃないと思うよ。おうちがお隣なんだって」
「ひゃー、それって最強じゃん。ねぇ直子。私のチケット、ショウくんから買ってくれない?」
美羽がますます怖気づいた顔で、直ちゃんにお願いする。
直ちゃんはこくりと頷いて、「いいよ。四人で見に行く?」と提案した。
「「「賛成!」」」
直ちゃんの提案に、満場一致で賛成の声があがる。
一瞬盛り上がったその場だったけれど、美羽はお弁当の卵焼きをひと口齧って、はあと溜息をこぼした。
「いいなぁ。直子は相変わらずラブラブだし、アヤもアイトくんと連絡取ってるんでしょ? ノン様はノゾムくんにめっちゃ愛されてるし」
「愛さ……!? ない! ないからっ!」
ご飯が喉に詰まるかと思った。
美羽がからかいながらそう言うので、私はごほごほっとむせてしまう。
ご飯をお茶で流し込んで、私は「無い無い」と繰り返した。