Hello,僕の初恋



「ううん。そんなんじゃないと思うよ。おうちがお隣なんだって」

「ひゃー、それって最強じゃん。ねぇ直子。私のチケット、ショウくんから買ってくれない?」



美羽がますます怖気づいた顔で、直ちゃんにお願いする。

直ちゃんはこくりと頷いて、「いいよ。四人で見に行く?」と提案した。



「「「賛成!」」」



直ちゃんの提案に、満場一致で賛成の声があがる。

一瞬盛り上がったその場だったけれど、美羽はお弁当の卵焼きをひと口齧って、はあと溜息をこぼした。



「いいなぁ。直子は相変わらずラブラブだし、アヤもアイトくんと連絡取ってるんでしょ? ノン様はノゾムくんにめっちゃ愛されてるし」

「愛さ……!? ない! ないからっ!」



ご飯が喉に詰まるかと思った。



美羽がからかいながらそう言うので、私はごほごほっとむせてしまう。

ご飯をお茶で流し込んで、私は「無い無い」と繰り返した。
< 115 / 248 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop