Hello,僕の初恋



「恋って……、何なのかな」



ふと、頭の中の疑問が口から零れ出る。



私がそんな話をするのが珍しかったのか、三人は顔を見合わせて数秒固まって、それから「キャー」と騒いで笑った。



「えっ? 私何か変なこと言った!?」



なんだか恥ずかしくなって、身体が熱くなる。

手のひらで顔を仰いでいると、笑い過ぎて泣きそうになった直ちゃんが謝った。



「ごめんごめん。ノンがそんなこと言うの、珍しいから」

「恋ってなんだろうって、質問深すぎ!」



アヤがそう言って、またお腹を抱えて笑う。

直ちゃんは目尻を拭いながら、笑って私に話しかける。



「ノンさ、この前歌詞見せてくれたでしょう? ああいうのが、恋する気持ちなんだと思うけど」



スタジオでノゾムくんたちの練習を聞いたあの夜、おじいちゃんの音楽部屋で殴り書きした歌詞をひとつひとつい思い浮かべる。



あの夜は気分が高揚していて、空だって飛べそうで、興奮して眠れなかった。

あの歌詞が『恋』そのものならば、私のこの気持ちは……。
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