Hello,僕の初恋
アヤたちに手を振られ、先生の後ろをついてノートの山を運ぶ。
職員室へと続く渡り廊下は、暖房の効かない教室よりももっと寒かった。
せっかく歌詞を褒められたのに、私はまたドジをしている。
昨日も課題を忘れたし、一昨日は掃除のバケツをひっくり返した。
どうして私はこうなんだろうと、また心の奥がじくじく疼きはじめて、泣きそうになってしまう。
きっと、バンドのメンバーの一員になれたみたいで浮かれていたんだう。
何かに夢中になると、途端に大事なことを忘れてしまう。
瞼の奥が、熱くなるのが分かった。