Hello,僕の初恋
「ノン、美羽、それ二人で買いに行った服? 可愛いじゃん」
「アヤ、ありがとぉ」
さりげなくアヤが、私たちの服を褒めてくれた。
今日はライブのあと、ホール内にある会議室で打ち上げがあるのだ。
アヤも美羽もお目当ての彼とお近づきになりたいらしく、化粧も髪型もかなり気合いが入っている。
「ね、私の髪、ボサボサになってない?」
バッチリ決まった二人を見て不安になった私は、髪を触りながらホールの扉に映る自分を見た。
お姉ちゃんが髪を上げてくれたあと、ワックスやらスプレーやらでしっかり固めていたけれど。
今日は海風が強いから、一瞬で崩れてしまいそうだなと思った。