Hello,僕の初恋
「ありがとう!」
アツキ先輩に続いて、他のメンバーも「ありがとう!」と叫ぶ。
「そしてそして、今日はベースのノゾムの誕生日です! 彼は俺たちの曲をぜんぶ作ってくれてます!」
アツキ先輩がそう叫んで、ノゾムくんの方を見た。
ノゾムくんに複数の照明が当たる。会場からは「おめでとうー!」とたくさんの祝福の声が聞こえた。
誕生日、今日だったんだ。
そういえば、受付でプレゼントを渡している子たちがいた。
ちょっと可愛かったと思う。
十二月生まれだって知ってたのに、何も用意してなかった自分を殴ってやりたくなった。