Hello,僕の初恋



「ノゾムくんって子、カッコいいよね」



後ろから、知らない子の声がきこえる。



うん、私もそう思う。

ステージの上でベースをかき鳴らしていた彼は、ううん、ステージの上にいなくたって、とってもカッコいい。

私が知らないだけで、ノゾムくんのファンの子だってたくさんいるんだろう。



「ありがとう! 確かに曲を作ってるのは俺だけど、たくさんの人に支えられてブラックコーヒーが存在しています!」



ノゾムくんはそう叫ぶと、まっすぐ観客席の方にお辞儀をして、それから私とミカ先輩を見て微笑んだ。



「今日は、俺たちのために協力してくれた子が二人いるので、先に紹介したいと思います! ミカ、花音ちゃん、上に来て」



ノゾムくんがいきなりそんなことを言うので、涙がとまってしまう。

びっくりした。

心臓が跳ねて、どうしたらいいのか分からなくなる。
< 134 / 248 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop