Hello,僕の初恋
「ノゾムくんって子、カッコいいよね」
後ろから、知らない子の声がきこえる。
うん、私もそう思う。
ステージの上でベースをかき鳴らしていた彼は、ううん、ステージの上にいなくたって、とってもカッコいい。
私が知らないだけで、ノゾムくんのファンの子だってたくさんいるんだろう。
「ありがとう! 確かに曲を作ってるのは俺だけど、たくさんの人に支えられてブラックコーヒーが存在しています!」
ノゾムくんはそう叫ぶと、まっすぐ観客席の方にお辞儀をして、それから私とミカ先輩を見て微笑んだ。
「今日は、俺たちのために協力してくれた子が二人いるので、先に紹介したいと思います! ミカ、花音ちゃん、上に来て」
ノゾムくんがいきなりそんなことを言うので、涙がとまってしまう。
びっくりした。
心臓が跳ねて、どうしたらいいのか分からなくなる。