Hello,僕の初恋
「ノンちゃんお疲れ」
窓際に座っていた私と美羽の元に、ミカ先輩が駆け寄ってくる。
あの後キーボードを演奏しきったミカ先輩はとてもカッコ良くって、まさに憧れ! という言葉がぴったりだった。
「ミカ先輩、お疲れ様です。キーボードすっごくカッコ良かったです!」
キーボードの演奏を褒めちぎると、ミカ先輩が照れくさそうに笑う。
「ありがとう。なんか照れるなあ」
「この打ち上げの準備も、先輩がしてくれたんですよね? ありがとうございます」
「うん。他のバンドの手伝いしてる子たちと一緒にね」
ライブの終盤、ミカ先輩は席を立ってどこかに行ってしまった。
そのまま戻ってこなかったので、打ち上げの準備に参加していたんだろう。
先輩は本当に気が利く素敵な人だ。
「声かけてもらえたら手伝ったのにぃ」
「いいのいいの。頼まれてたからさ。
私たちで片付けまでするから、気にしないでいっぱい食べて、帰りも好きな時に帰っていいからね?
あ、ケーキもあるよ? 食べて食べて」