Hello,僕の初恋
『お疲れ! 今から会える?』
そうメッセージを送ってきたのは、昨日いっしょにステージに立ったミカ先輩だった。
『すぐ行けます!』
お昼がまだだと伝えると、『ランチ出来るカフェにしよっか』なんて提案してくれる辺り、ミカ先輩は気が利く女性だ。
ああ、ほらまた。
他人と自分とを比べてしまっている。
直ちゃんに言われた通り、私は言い訳ばっかり。
ひとりじゃなにも出来ないし、だからといって何か努力をしているわけでもない。
はあ、と溜息をついて、のろのろと私服に着替える。
昨日きちんと髪を乾かさなかったせいで、髪はうねうねと曲がっていた。
まるで、私の心みたいだな。
ひねくれた、私の心。
急いで私服に着替えて、私はミカ先輩との待ち合わせ場所へと向かった。