Hello,僕の初恋







ミカ先輩が選んだのは、国道沿いにある海の見えるカフェだった。



昨日の市民ホールから歩いて十分ほどのところにあり、昼も夜も賑わっている。

夜はバーになっているらしいけれど、高校生の私は昼間しか訪れたことがない。

って言っても、今日が二回目なんだけど。



ハワイを意識しているらしい店内は天井が高く、上の方で空気を循環させるファンが回っている。

ヤシの木や亀のモチーフなんかが描かれた絵画が飾っていて、柱の周りをピンクの造花がぐるっと囲っていた。



入口近くにいる人たちを見ると、ホイップクリームで飾ら絵れたパンケーキを写真に撮っていた。

自分には少し場違いに感じるその空間をいそいそと進むと、奥の窓際の席で手を振るミカ先輩が見えた。





「お疲れ様です」



四人掛けのテーブルの手前の席に座っている先輩に一礼し、私は奥の席に腰を下ろす。



奥の席を空けてくれている辺りがさすが先輩だ。

ってほら、また人と自分を比べる自分がいる。心底情けない。



「ノゾムに告られて逃げたんだって~?」


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