Hello,僕の初恋







風が強いせいか、午後の公園は私たちの他は誰もいなかった。

小さな公園だけど、ブランコや滑り台が設置されているおかげで、昼間は子どもの声が聞こえていることが多い。

けれども今日は、私たちを遮るものは何もなかった。



急ぎすぎたのだろう。公園に着いた時には、直ちゃんはまだ来ていなかった。





遠くに海が見える。

たくさんの住宅たちと、道路。駅。線路。湯けむり。



国道沿いはやっぱり車でごった返してて、海はキラキラ輝いている。

波が強いのか、海面のところどころが白くなっているのが分かった。



そういえば最近は忙しくって、こんな風に景色だけをぼーっと眺めることはしていなかったかもしれない。
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