Hello,僕の初恋
五分ほど街並みを見つめていると、細い階段を直ちゃんが上ってくるのが見えた。
ぶんぶんと手を振ると、大きく振り返してくれる。
それからは走って私のところまで来てくれて、直ちゃんはぜーぜーと息を乱していた。
それから、やっぱり目が赤い気がする。
子どもたちが遊んでいないのをいいことに、私たちはブランコに並んで腰をかけた。
ブランコはフェンスと反対側を向いているので、さっき見下ろしていた街並みは見えない。
そのかわりに、頂が白く染まった山々を見ることができた。
坂に沿って並ぶ住宅、学校、打ち上げで行ったカラオケ。
ずっと向こうには、観光客用のロープウェイやホテルなんかが見える。
私はその景色をじっと眺めてから、直ちゃんの方を見た。