Hello,僕の初恋



「すごい! 直ちゃんなら絶対出来るよ! 向いてると思う!」

「ショウは東京の大学行くって言ってるからさ。そしたら遠恋でしょ? それでケンカになっちゃって……」

「直ちゃんなら、遠恋でもきっと上手くいくよ! 絶対! 私が言うんだから間違いない!」



思いやりがあって、なんでも器用にこなせちゃう直ちゃん。

そこが彼女の魅力だと私は思っている。

だから、遠恋だってきっと大丈夫。胸を張ってそう言うことが出来る。



「……ありがと。ノンのさ、そういうとこ、魅力的だと思うよ」

「そういうとこ?」

「いつも笑顔でさ。失敗してもいつも笑ってて。泣いてもすぐに笑顔に戻るし」



前に、ノゾムくんにも同じこと言われたな。

そういえばここの公園でだったっけ。



ううん、前に直ちゃんにも言われたことがあると思う。

お姉ちゃんやお母さん、美羽やアヤにだって言われたことがある。



そうか、ずっと私は人の話を聞いてなかったんだ。



他人と比べてばかりいて、みんなにたくさん認めてもらえていたことがあったのに、すっかり抜けてしまっていた。
< 175 / 248 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop