Hello,僕の初恋
直ちゃんが今度は私の方を向いて、続ける。
「感性だってすごいよ。あの歌詞、本当にすごかった。私感動して泣きそうになったんだから。私にはああいう歌詞、絶対に書けないし。凄いなあって、思う」
「私が、凄い……?」
「私さ、ノンみたいになりたかったんだ」
「え?」
直ちゃんの言葉に、目を見開いた。
たぶん今、世界中で一番まぬけな顔をしていると思う。
直ちゃんみたいにずっとなりたいと思ってきた私。
その直ちゃんが、私みたいになりたかった?
信じられないけれど、彼女は真面目な顔でそう語っている。