Hello,僕の初恋
直ちゃんがブランコを降りて、私の前に立つ。
そして私の座っているブランコの鎖を掴んで止めて、私にがばっと抱きついた。
「直ちゃんんんー!」
「ふふ、また泣いてる」
瞼の奥から水滴が湧き上がってきて、どんどん溢れる。
抱きついてきた直ちゃんのパーカーに染みを作った。
私がおんおん泣くので、直ちゃんもつられて涙をこぼす。
鼻をすんと啜ったら、直ちゃんは「ほら」とポケットティシュを差し出してくれた。
「ぐすっ。私、ノゾムくんにちゃんと気持ち伝えるよ。だから、直ちゃんもショウくんと仲直りしてね」
「うん」
「絶対だよ」
「うん。絶対」
私たちは顔を見合わせて笑った。
何がおかしいのか分からないけど、お腹を抱えて笑った。
「直ちゃんの結婚式の時はスピーチでこの話するね」って言ったら、
「それは気が早すぎ」ってデコピンされた。