Hello,僕の初恋
ロックンロールが止まる
始業式まであと一日。
珍しいことに、冬休みの宿題は昨日までに済ませておいたし、今日は一日ゆっくり過ごそうかな、なんて考えていた。
私の宿題が終わってるなんて奇跡に近いので、お姉ちゃんは「雪でも降るんじゃないのー?」と笑っていた。
インターホンが鳴ったのは、午後の一時頃だった。
冬休み最終日に私のところに来るお客さんなんて、直ちゃんくらいしかいない。
いつもなら私が「宿題終わんないー!」なんて言って、こっちから彼女を尋ねていくんだけど。
いくら直ちゃんでもジャージ姿は無いよなあ、と、慌ててニットのワンピースに着替えて、髪はぼさぼさのまま玄関の扉を開けた。
「あれ……?」
「……っす」
その瞬間、目を見開いた。
うちに絶対来るはずがないであろう人物が、そこにいたからだ。
開かれた扉の向こうに立ってっていたのは、直ちゃんの彼氏のショウくんだった。